飼い猫ケインが死にかけた話【詰まってどえらいことに】その1
ケインは一度、死にかけたことがある。その時の話です。
ある日、勤め先から帰ってくると、床のカーペットの上に蒲鉾型の嘔吐物があった。
猫は毛づくろいで飲み込んだ毛玉をよく吐くというのは、友達の家で飼っていたアメリカンショートヘアーの行動を見て知っていた。
ケインはほとんど毛玉を吐かない猫だったが、まぁ猫だからしょうがないなと後片付けをした。
しかしよく見ると、朝食べた固形のキャットフードが、ほぼそのまま吐きだされている。もっと不可解なのは、夜の時間に自動餌やり機から出たキャットフードに手を付けていないことだった。あれだけきれいに吐いたのなら、おなかが空いているはずなのに…。
しばらく様子を見ていると、キャットフードのにおいを嗅いでいるが食べようとしない。これは同じキャットフードばかりで飽きてしまったのかと想像していると、水を飲んだケインがその場で嘔吐を始めた。今飲んだばかりの水を吐いてしまう。身体を丸めて元気がない。事ここに及んで明らかにおかしいと気付いた。
しばらくすると今度は緑の液体を吐きだした。量は多くないが、緊急を要する事態であることは確かだ。
パソコンを起動して検索する「猫 嘔吐」
たくさん出た検索結果を読んで出した結論は「異物誤飲」である。
急いで医者に診せないとまずいらしい。カーペットに付いた緑色のシミを見ながら、まったく異論の余地なしだと確信する。しかし時刻は22時を回っている。かかりつけの獣医はもうやっていない。
ネットで調べてみた。「猫 緊急 夜間 病院」そんな言葉を使ったと思う。そう近くはないが、24時間診てくれる大きな病院があった。次にしたのはタクシーを呼びよせる電話番号を調べることだった。
子猫ケインの運命やいかに。
次回へ続く。
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