0合目から登る富士登山【1日目】
9月に入って最初の週末に富士山に登ってきました。同行は、いつもの会社の同僚です。
どうせ富士山に登るならと、むかしの富士吉田駅(現・富士山駅)を出発地点として、0合目から日本最高峰を目指します。日帰りは無理なので7合目の山小屋泊まりです。
今回初めて知ったのですが、この週末で富士山は「山じまい」となり、あらかたの山小屋や売店はシーズンを終えるのだそうですね。
まだ9月に入ったばかりだというのになんと気の早い、と驚いたのですが、山頂にたどり着いてその理由を知る=体感することとなりました。
富士山駅までは、東京駅八重洲南口6時50分発の高速バスに乗ってちょうど2時間かかります。大きいザックはバスのトランクに放り込んで、朝早かったのでウトウトしているとすぐに到着です。この日は連休の渋滞がありましたが、15分ほどの遅れですみました。
富士山駅を9時20分に出発。強い日差しがありますが乾燥していて秋を思わせる青空が広がります。ここがおよそ標高800メートルです。奥多摩湖が標高500メートルくらいですから、涼しいわけです。
歴史を感じさせる杉の巨木が立ち並ぶ富士浅間神社の先から吉田口遊歩道が始まります。
木漏れ日が差し込む木立の中を平坦な道が続きます。行きかう人はほどんどなく、雰囲気のある静かな小道です。
これは中の茶屋そばに建つ石碑です。こういう古くからの石碑や石塔が点在するのが、歴史のある富士山への登山道らしさですね。
中の茶屋では、休憩がてら冷たい吉田うどんを食しました。とても強いコシがある麺が特徴のようです。私が知っているやわらかいおうどんと違った硬い麺を口にして、茹で時間を間違えたのかなと疑ってしまったのは内緒です^^;
12時30分過ぎに馬返しに到着です。いよいよここから登山道らしい登りが始まります。
登り始めて日差しはなくなりました。汗が噴き出した身体に、時々吹き抜ける風がこの上なく心地よいです。
すれ違う登山者はほんの数名という感じで、メジャーな観光地の趣はありません。長い歴史を刻んで、今は忘れ去られつつあるという重みのある静寂があたりを包んでいます。
登山道のそこかしこにトリカブトがたくさん咲いていました。
一度車道に出てから再び登山道を30分ほど登ると6合目に到着です。
ここから登山道の様相が大きく変わります。標高は2400メートルまで上がり、森林限界を超えて周りの木立が消え、岩と砂利の斜面となります。そして富士スバルライン5合目からの合流地点でもあり、ここから一気に登山者の数が増えるのです。
残念ながらこの日は、登るほどに周りの雲が厚くなり、眺望は全く望めませんでした。天気予報で覚悟はしていたのですが、雨が降らなかったのは幸いでした。
5合目までの過去の歴史が苔むした古道の静寂とは打って変わって、軽装の観光客もいれば、英語やフランス語を話す海外旅行者もたくさん登っています。アジアや中東からの旅行者も多数います。
そして合目ごとに山小屋と、きれいに清掃された有料トイレが整備されて、水場がなく、ストーブが使えないとしても、小銭さえ用意すれば安心して登ることができます。ところどころの登り渋滞を差し引いても、他の2000メートル級の山よりはよほど快適に登れるように思えました、この時はですね。
(高所であることのリスクは翌朝思い知ることになるのですが)
16時30分、7合目の山小屋・鎌岩館に到着しました。
登山靴のひもをほどいて、リニューアルして新しい小屋内に上がらせてもらいます。あてがわれた2段ベットの下で荷物を整理していると、早めの夕食ができたというアナウンスがありました。
夕食はカレーライスと小さなハンバーグときんぴらごぼうなどでした。小さな食堂で、同宿の登山客と一緒にいただきます。
空腹という最高のスパイスでとても美味しくいただき、トイレで用を足しに外に出てみると、周りはいっそう厚い雲(ガス)に覆われています。
カメラを持って出たのですが、肌寒いくらいの気温で、すぐに小屋のベットに戻りました。
さっきチェックインするときに小屋の主人と同僚が交わした会話がよみがえります。
「明日は山頂でご来光を望みますか? そうする方が多いですよ」 と山小屋の主人
「ぜひ、そのつもりです」 同僚は即答しました
えっ!?
主人 「では23時過ぎに起こしますので、そのつもりでいてください」
23時って!?
なんか当初の打ち合わせと違ってるなー、と思いながらもベットのシュラフにもぐりこんだのでありました。
不安はありますが、どうにかなるでしょう。
耳栓をして、顔にタオルをかけて横たわると、さすがの疲れからか、あっという間に眠りの世界に吸い込まれてしまいました。
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