お袋の味が肉じゃが?はぁ?『バーモントカレー』
通勤ランでの帰り道、クルマがあまり通らないような細い裏道を走っていると、どこからともなく漂ってくる夕餉の匂いにハッとすることがある。
それは懐かしいカレーの匂いだった。
カレーは数限りなく自炊で作ってきた。みんな美味しかった。カレーを作れば間違いなく満足、満腹だった。しかし、そのどれもが子供の頃に食べたカレーとは似ていなかった様な気がする。
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あのカレーが食べたい。そう思った。
バーモントカレー中辛、豚ヒレ肉、新ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、キュウリ、ミニトマト、パプリカ
野菜は一口大に切る。新ジャガイモはたわしでよく洗って皮付きのまま。本当だったら豚コマがよかったのだが、ヒレ肉が半額だった。
鍋にサラダ油を熱して肉と野菜を炒める。ルーの箱に書かれた量の水を入れて15分間、弱火で煮る。
いったん火を止めてカレールーを投入して、よくかき混ぜ、完全に溶けたら再点火。とろみが出るまで10分間ほど煮て出来上がり。
辛くないカレー、汗をかかないカレー、懐かしいカレー、やはり美味しいカレー。
懐かしい味なのだが、私の記憶にある味と重ね合わせようとしても、細部までぴったりと符合するというスッキリとした気持ちになれなかった。ルーの箱に書かれた調理法にできるだけ忠実に作ったつもりなのだが、もしかしたら母なりの工夫やアレンジがあったのかもしれない。
帰省した折に、母に問いただして答えがあれば、それで解決するかと言われると、そうでもないような気がする。
私が子供の頃に食べた「お袋の味」としてのカレーは、思い出の中にこそあって、今となっては再現することはできないのではないかと思うのだ。家族四人での食卓、子供の頃の団らんが戻らないように。
そう考えると、甘く、ちょっと切ないカレーであった。
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