台風禍
台風15号が関東を直撃し、職場では、夕方過ぎから電車が動いていないという情報が続々と入ってきた。東日本大震災の時のように帰宅困難者が続出かと一時は危惧したが、21時過ぎにはほとんどの社員がタイムカードを切って退社。その後、すんなり家までたどり着けたかはわからないが。
通勤ランナーはこういう場合には、無敵に近い。影響を受ける要素がほとんどない。それでも風がめっぽう強かった。雨が止んでいたのは幸いだ。道ばたの街路樹が風でなぎ倒され、通行止めになっている箇所が複数あった。これほどの台風直撃は久しぶりである。
我が家では、網戸のまま、窓を開けっ放しで来たことが、少し気がかりだった。あれだけの強い雨と風だったのだから、少しくらい雨が室内に吹き込んでいるかもしれない。まぁ、カーペットの一部が濡れるくらいだろうとたかをくくっていた。
しかし、タイフーンのパワーは思いもよらないものだった。
帰宅して玄関を開けると、またまたケインの鳴き声がない。
え?、またか。今度は何事じゃい。
リビングに入ると、やはりケインの気配無し。
しかし、今日は自動餌遣り器の餌は残っていない。給餌時刻は1時間ほど前だから、少なくともそれから餌を食べることはできたのだ。
隣の寝室の扉は開いたままだ。中をのぞいてもケインはいない。寝室のカーテンをめくったが、網戸は閉まったまま。いつか風で網戸がスライドして、ケインがベランダに出てしまったことがあったが、それ以来、小さな折りたたみ式のストッパーを付けている。
机の下をのぞいてみる。やっと台風の騒ぎが収まって、丸くなって眠ったまま、私が帰ったことにも気づいていないのかも。と思ったが、いない。
まるでミステリーである。
と、気づいた。リビングの網戸が外れ、ベランダに倒れているではないか!
今やリビングとベランダを隔てるものは何もなく、ベランダの暗闇に向かって白いレースのカーテンがはためいている。
うゎー、ベランダ越しに「遁走&逐電!」
倒れた網戸を動かしてベランダに出る。
ケインは、そこにいた。
ベランダの暗がりでうずくまるケインを抱きかかえて室内に戻す。特に興奮していたり、怖がっている様子はなく、至って普通。リビングの明かりをつけると、ニャンニャン鳴いて「お帰り、お帰り」といっている(ような気がする)。
工具箱からプラスドライバーを取り出し、網戸をサッシに取り付け直す。ガイドをネジで固定してあるので、相当な力が加わらない限り、外れることはないはず。明かりがついたリビングを見渡すと、ベランダの枯れたモミジの葉っぱがいくつも散らばっている。室内を吹き荒れた風の強さがうかがい知れる。
でも、まぁ今回も大事に至らないで良かった。ほんとに。
僕は至って冷静です
今日はヤケに外が騒がしかったようですが
何かあったのでしょうか
熟睡していたのでよくわかりません
気づいたらベランダにいました
ほんとうです
嘘ではありません、誓って
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