あの味にたどり着けない雑煮と、焦げた伊達巻き
新年早々、料理は難しいと改めて実感した。
特に初めて作るメニューを、作られたレシピを頼りにするにしろ、思い描いた完成形に近づけるには、注意深さとセンスが必要だと思う。今回そのどちらも、私には欠けていたということである。
昨日は実家で雑煮を食べてきた。毎年その味を自分で再現しようと試みているが、成功していない。鶏肉とホウレン草と椎茸が入った、シンプルなすまし汁系の雑煮である。子供の頃から食べ慣れた味で、それが食べられれば満足なのだが、自分が作ると何か足りない。
母に、出汁として何を入れているのかをたずねたところ、先日銚子に行った時に購入したという粉状の出汁の素を渡された。成分表示を見ると、カツオやサバや小エビやらが混合されているものである。今年はたまたまこれを使ったらしいが、とりあえずは少量もらってきた。
魔法の粉は出汁パックに入れて煮出す。ニンジンとダイコンは半月なり銀杏に切る。干し椎茸も戻して入れる。そして正月価格で倍近い値が付いていた鳥のもも肉も入れる。出汁の共演である。
すまし汁で難しいのは最後の塩加減である。醤油で色を付けて、味見をしながら塩を加えた。
雑煮だけではナンなので、卵焼きでも作ろうとネットでレシピを調べると、伊達巻きが意外にも材料的にはシンプルで簡単そうに思えた。これまで作ろうと思ったこともなかったので、卵にはんぺんを入れるというのは驚いた。どうやらクリスマス・イヴに引き続き、秘密兵器の出番である。
はんぺん一枚を小さく切って、卵1個とミルサーへ。スイッチオンと同時に上下に激しくシェイク!今回はすぐ液化したので、卵2個、みりん大さじ2、水大さじ2、本だし少々を追加して撹拌。
できたはんぺん卵エキスを厚焼き卵用フライパンに流し入れて、アルミ箔でフタをする。弱火で10分。
フタをあけてみると、はんぺんの作用か、卵がずいぶんと膨らんでいる。そして生地が厚すぎたのだろう。上部はまだ熱が通っていなく液体のままだ。仕方がないので、厚焼き卵のように、卵の向こう端を菜箸で持ち上げて、卵液を底に流してみた。そしてひっくり返すと、おお、みごとに焦げている。しかもムラになって焦げているので、よけい救いようがない状況だ。
とりあえず巻いてみた。厚焼き卵であれば、このフライパンで卵3つは可能なのだが、今日ははんぺん入りであった。
雑煮は、やはり実家の味には遠かった。でも、これなりに美味しくはあったのだが。来年こそは、実家の台所に入って、我が家の伝統の味を引き継がねばと決意する次第。
伊達巻きは、切り方もバラバラで、あまり目出度くない出来となってしまった。味としてはアリなのだが、おせち料理としては落第だね。
というか、おせち料理は家族や親戚みんなで取り分けて食べるものなのだ。子供の頃は、正月前には色々なおせち料理を家族みんなで作った。ここ何年かは母も高齢になり、中華料理屋のおせちを取り寄せて、帰省した息子や妹夫婦に振る舞うようになった。他人が作った料理でも正月の風景は変わらない。
でも雑煮だけは自分で作れるようになりたいなぁ。正月だけではもったいないと思う。
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