紅葉に染まる那須岳(1,917m)に登ってきた
月曜日の体育の日に山に登ってきました。
前回、天候が悪くて断念した八海山にリベンジしようと目論んでいたわけですが、無情にも今回も天気予報は雨と風です。週の半ばまでは秋晴れのすがすがしい青空が広がっていたのに、いじわるですね。
今日もいつもの会社の同僚と二人の山行です。金曜日の真夜中にレンタカーの中で話し合い、八海山は今回も断念という結論に達しました。
代わりに栃木の那須岳に向かうことになりました。日本の太平洋側は天気が良くなるようなのです。しかも紅葉の盛りのはず。この判断が大正解でした。
那須ロープウェイの那須山麓駅先の駐車場に着いたのが午前4時過ぎでした。周囲は真っ暗ですが、駐車場にはすでにクルマがいっぱいです。こんな朝方から駐車場整理のおじさんまで働いています。一番広い駐車場には停められなかったので、少し下がった駐車場に入りました。
私たちが停めたときには2台ほどしか入っていなかったその駐車場も30分もすれば満車状態です。皆さん紅葉を目当てに集まった登山者なのですね。
クルマの外に出ると空気がキーンと冷えています。ザックからフリースと薄いダウンジャケットを着込んで、どうにか凌げるほどの寒さです。
空を見上げて、思わず息を呑みました。それこそ振るほどの数の星が広がっています。一眼レフカメラを持ってきながら三脚を忘れたことを後悔しました。
周りのクルマでは準備を終えて、真っ暗な中をヘッドライトをつけて出発していく登山者たちがいます。
明るくなるまでは小1時間ほどあり、車内で仮眠しようと考えていた私たちですが、山に登って御来光を拝もうということで意見が一致し、そのまま出発することにしました。
駐車場奥の登山口からヘッドライトで道を照らしながら進んでいきます。
身体がポカポカと温まってきたころには、だんだんと明るくなり始め、周りの山肌を確認することができるようになってきました。火山らしい岩だらけの樹木の生えていない登山道は、とても見晴らしが良かったです。
曙光のもとで徐々に姿をあらわしてきた周りの山並みは、紅葉の赤や黄色に染まっているのがわかります。空には雲のかけらひとつもなく、今日これからの山行を考えるとテンションがあがります。
登りきったところに峰の茶屋跡非難小屋がありました。時刻は5時40分、ちょうど日の出に間に合いました。
小屋の周りでは私たちと同じように御来光を眺めている登山客がいます。風が強く吹き、鼻水が止まりません。
奥にチラッと見えているのが茶臼岳で白い噴煙を上げているのがわかります。今日はここから茶臼岳を背にして朝日岳に向かい、ぐるっと周回してから最後に茶臼岳に登ります。
剣が峰のピークを巻いて朝日に染まる登山道を行きます。
溶岩が固まったこんな奇岩もありました。
7時前に朝日岳の山頂に到着。ここも冷たい風が吹いていましたが、見晴らしは最高です。
ここで多くの登山者が北の三本槍岳を目指して進んでいきましたが、私たちは小さい周回コースを歩くので西の三斗小屋温泉への道を行きます。
7時40分、隠居倉のピークに到着。太陽が昇って温かくなってきました。この日は登山客がとても多かったのですが、朝日岳から三斗小屋温泉への稜線は空いていてのんびりと歩くことができました。
登山道の脇に温泉が湧出している場所がありました。辺りには硫黄のにおいが立ち込めています。
三斗小屋温泉から南に進むと明るい広葉樹の森の中に入ります。アップダウンの少ないなだらかな道を落ち葉を踏みしめて歩きます。
ひょうたん池への分岐地点です。ここから木道を少し歩いたところにひょうたん池があります。すぐ手前まで行ってみたのですが、見物客が渋滞していたので姿を見ずに引き返してきました。
噴煙を上げる茶臼岳をバックにワンショットを撮ってもらいました。ホントいい天気です。
10時半に牛ヶ首に到着しました。ここから前方に見える茶臼岳の斜面をトラバースして、ロープウェイの山頂駅近くから一気に山頂を目指すことになります。
このあたりからロープウェイで登ってきたであろう軽装の観光客が増えてきました。茶臼岳への直登ルートは険しい岩場の箇所もあり、街中を歩く格好で挑むのにはハラハラさせられます。実際に、ガレ場の斜面で転んで横倒しになり、転げ落ちてくるおばさんを目撃しました。幸いにも数回ローリングしたところで止まり、周りの人に助け起こされていましたが、ひとつ間違えば大きな惨事にもなりえたでしょう。
本格的な登山をするようになってまだ日が浅いですが、毎回毎回、山は怖いなという思う場面がありますね。
茶臼岳の頂上はたくさんの登山者、観光客でごった返していました。ここから山頂の部分をぐるっとお鉢周りです。
広い平坦部分があったので、ここで昼食とすることにしました。今回もメニューはインスタントラーメンです。私が子供の頃から馴染みのあるサッポロ一番・塩ラーメンであることがこだわりです^^
前回の山行で昔のガスストーブが使い物にならなかったので、今回は JETBOIL を新調しました。確かにお湯の沸くスピードは特筆すべきものがあります。ただ専用コッヘルの取り外しなど、ちょっと面倒なところもあります。
やはり素のインスタントラーメンだけでは量はともかく、味的に物足りないところがあるので、次回は野菜なども持参しようと思いました。
このあとは茶臼岳の岩だらけの斜面を滑るように下り、御来光を拝んだ峰の茶屋跡非難小屋まで戻ってきました。その頃には午前中あれほど晴れ渡っていた空に、あっという間に雲が広がり薄暗くなってきました。背後から抜き去っていった、飛ぶように斜面を下る身軽なトレイルランナーの走りに度肝を抜かれながらも、出発した駐車場に戻ってきたのが14時過ぎです。
クルマの混雑が始まる前にソソクサと山を下りたつもりなのですが、すでに那須ICまでの一本道では渋滞が始まっていました。
行楽帰りの車列にはさまれたクルマの中で、次はどこの山に行こうかと話し合いました。山の季節は冬に移行しつつあります。冬の訪れが遅い神奈川の丹沢山系か、伊豆の山か。
さあ、どうしましょうか。
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