【ANCHOR RL8】備えなければ多摩サイで押し30km(涙)
週末に自転車で実家に行った。いつもは奥多摩方面へサイクリングの途中に立ち寄るのだが、この日は別の目的があった。母が使っているパソコンのOSをWindowsXPからWindows8.1へバージョンアップするためだった。
若き頃はキスリングを背負った山女だった母は、年老いた今でも野山歩きや鳥の写真を撮ることを楽しみとしている。5年ほど前にパソコンを買ってからは、デジカメで撮り溜めた写真をバンバン入れているらしい。
私の職場ではXP機の入れ替えがようやく始まろうとしている。職場ではハードウェアのスペックとして陳腐化したPC自体を入れ替えるのだが、実家のパソコンはOSのみを入れ替えることにした。amazonで購入したWindows8.1のアップグレード版とマニュアル本は実家に配送済みだった。
RL8に乗って家を出たのはお昼前になってしまった。自転車で往復4時間、パソコンのOS入れ替えで手間取っても2時間、明るいうちには戻ってこれる計算だ。外はとてもいい天気で、絶好のサイクリング日和だった。
RL8を手に入れてちょうど1年がたった。記念日とでも言ってもいいこの日、走り慣れた多摩サイで、あんなに辛い目に遭おうとは、この時は知るよしもなかった。
日射しは強くても湿度は低い。なんというサイクリング日和! 多摩サイを行き交う人々の顔もニコニコ、生き生きとしている。そんな和やかな雰囲気に同調しつつ、ゆったりと着実にペダルを回していく。
しかし、この日の強行軍を暗示させる出来事は、5kmも走らないうちに起きたのだった。
シュシュシューという異音を耳にして路肩に停車する。これはいつものヤツだとピンとくる。
指で押して確認すると、出発前に空気を入れた後輪がやわらかい。
パンク修理に関しては沖縄1周ライドで存分に経験したので余裕を持って対処することができた(少なくともこの時は)手持ちのチューブとカートリッジボンベを使ってそつなくリカバーして再出発。
パンクなんてへっちゃらさ〜どんどんウエルカム♪♪
で飛ばしていると、なんと本日2回目のシュシュシュー!
なんと、またパンクかい!
手持ちのチューブとボンベは1組だけじゃ、さっき使ってしまったぞい。
とりあえず木陰で後輪を外して思案する。たしか多摩サイ沿いにY’sRoadがあった。あそこまでたどり着ければ、新しいチューブとボンベを手に入れることができる。
後輪のチューブを引き出して最初のものに戻す。チューブのパンクは修理していないが、スローパンク気味だったので穴は大きくないはず。タイヤにはめて、携帯用のミニポンプで懸命にポンピングすると、それなりに膨らんだ。
後輪に余計な負荷がかからないように気持ちを込めてペダルを回す。しかし平坦基調の多摩サイで一部ある未舗装区間で後輪の空気が切れた。サドルにガツンガツンと響く衝撃でたまらず停車。ここで後輪を外すのが三度目となる。チューブを点検して、もう一度マックスまでポンピングする。
多摩サイ沿いにあるY’sRoadでタイヤチューブとボンベを一つずつ購入した。
新品のチューブに換えて空気圧も正常に。これでもう問題なしだ(とこの時は思った)
普通であれば2時間で着くところを3時間かけて実家に到着。昼飯を食べてからOSのバージョンアップを始める。
写真や文書データの移行は持っていったUSBメモリーで問題なし。ただ Outlook Express がWindows8に対応していないため、メール環境の移行に手間取ってしまった。
何やかやで実家を出て帰途についたのが18時近くで、ナイトランが必須の状況となる。
夕暮れの多摩サイを快調に飛ばして20kmほど行ったところで、な、なんと! あの聞き慣れたシュシュシューがまたもや発生!
耳を疑ったが、停車して後輪を調べるとやはり空気が抜けていた。すでに周りは夜のとばりが降り始めている。来るときに立ち寄ったY’sRoadはだいぶ前に通り過ぎている。あそこまで戻るにはそうとう距離がある。それに営業時間が何時までなのか。
後から考えると、この時に、たとえ帰るべき家とは逆方向になったとしても、自転車屋へ向かうべきだったのかもしれない。
サイクリングロード脇の薄暗い草むらで、後輪を外してチューブを引っ張り出す。本日5度目になるこの作業については、手元がよく見えなくても滞りなく作業ができるくらいに習熟した。試しに手持ちの他のチューブに換えてみたが、とても乗れるほどには空気圧は上がらない。
ここで覚悟を決めた。家まで押そう!と。途中でデポすることも考えたが、翌日に取りに来るのが面倒だし、SPD-SLシューズでは走ることもできない。手ぶらで歩くのも、自転車を押して歩くのも同じだ。
この道は、これまでに3回ほどランニングで走破したことがある。トータルは50kmで、残りは30kmほどのはずだ。脚だけを使った移動距離として、30kmはそれほど非現実的なものではない。
家に向かってひたすら歩く。ヘルメットはトップチューブにかけて、ライトを点けて街灯のないサイクリングロードを押して歩く。
昼間の見慣れた風景とは一変した多摩サイ沿いには、街灯なんかよりはずっと眩しい光を放つ施設もあった。
クリートが出っ張って歩きづらいシューズにもじきに慣れた。気温は少し肌寒いくらいで、歩くにはちょうど心地よい。遅い昼食をとったので空腹も感じない。水分はボトルにたっぷりある。心拍数が上がるような苦しさもない。
それでも残りの距離が苦痛に感じるようになるまでには、そう時間はかからなかった。私が想像した30kmの距離感は走った場合であり、歩くのはだいぶ勝手が違った。
18時前に実家を出発して、家にたどり着いたのは24時半。この上なく疲れたー。
帰ってからやったこと① シューズのクリート交換
30kmを歩き通してシューズのクリートは無残にもすり減り、消滅した。
帰ってからやったこと② タイヤの交換
沖縄での連続パンクもタイヤの劣化が原因だったのだろう。
《BRIDGESTONE EXTENZA PR1X》 これで 4,000km以上走った。このタイヤがパンクに弱いわけではない。沖縄ライドまでは一度もパンクしなかった。適切な時期に交換をしなかった私のミスだ。
それでもこれだけパンクに見舞われると、次はパンクに強いタイヤを選んでしまう。ネットで調べて買い求めたのが《Panaracer RACE D Evo2》であった。
EXTENZAに比べると明らかにPanaracerは肉厚だ。計ってみるとひとつ50gほど重くなっている。
帰ってからやったこと③ ツールボックスにパンク・リペアキットを追加
走り慣れたサイクリングロードを行くとしても、替えチューブを持ったとしても、パンクを修理する最低限の道具は持ち運ぶべきだ。パンクした自転車は、コンセントの抜けた冷蔵庫と同じくらい厄介な存在になるのだから。
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