多摩川夜釣りでぽんぽこして、釣ったハゼを天ぷらに、すくったテナガエビを唐揚げにしていただく
朝方まで降っていた雨が止み、午後になって晴れきたので釣りにきました。
本日の多摩川釣行は、下流域の護岸から夜釣りをします。
釣り座の左手は見渡しの良い河川敷ですが、右手は鬱蒼と生い茂った葦原になっています。
仕掛けはいつもの投げ竿2本のぶっこみ釣りで、餌は前回の残りのアオイソメとドバミミズです。
アオイソメもドバミミズも冷蔵庫の野菜室で、どうにか一週間生かしておけました。
まだ明るいうちに、アオイソメの竿に強い引きがありました。
ぶっ込んだ餌をチェックしようとリールを巻くと、急にラインが走り出します。
右に大きく走り、次に下に潜ろうと強烈に引っ張られ、ドラグを緩めるまもなく、あっという間に切られてしましました。
かかった獲物が何だったのかは不明です。
使っていたリールには古いナイロン2号のラインが巻かれていたので、新しく、もっと強いラインに巻き直す必要があるようです。
結局、この日にかかった大きな獲物は、この一匹だけでした。
ぶっ込み竿には単発のアタリがあり、餌チェックで上げてみるとハゼがかかっています。そんなことが数回ありました。
ハゼの型は良くなっていますが、水温が下がって深場に移動し始めているのかもしれません。
防寒対策
ちなみにこの日は、前回の釣行を教訓として、山装備に準じた防寒対策をしてきました。
上下ともに化繊の高機能インナーウェアを着用し、その上にフランネルのシャツ、アウターは絶妙に軽くて温かいパタゴニアのナノ・パフ・フーディ、座った脚にはモンベルのU.L ダウンインナージャケットを巻きます。
手にはハクキンカイロを握り、サーモスの山専用ボトルに詰めてきた熱いお湯で身体の中から温めます(インスタントコーヒーやカップラーメンも持ってきましたが、身体を温めるにはプレーンな白湯が一番いいですね)
この日は風も強くなく、座りっぱなしでも、それほど寒くは感じませんでしたが。
テナガエビをすくう
19時過ぎに満潮を迎え、そこから潮が引いていきます。
水位が下がって、護岸下のテトラポッドが露出してきました。こうなると竿を上げるときに気をつかう必要があります。
厄介なのは、網で作られたカゴに石を詰めた「蛇籠・じゃかご」です。巻き上げてきた仕掛けが蛇籠に触れると、間違いなく根掛かりしてしまいます。
高速でリールを巻いて、仕掛けを浮かせて一気に引き抜こうとしますが、周囲が暗いこともあり、ちから加減が難しいです。
連続で3つほど仕掛けを失いました。
22時過ぎに、餌も仕掛けも尽きたので、終了です。
最後に引き上げた仕掛けも足元の蛇籠に根掛かりしてしまったので、注意して潮が引いた護岸下に降りて鈎を外しました。
そこでテトラポッドの間をヘッドライトで照らしたときに、テナガエビを見つけました。
よく見ると複数のテナガエビが水中のテトラポッドの上を歩いています。
この辺りはテナガエビの有名スポットでもあることを思い出しました。
この季節でも、まだいるのですね。
エビをすくうには大きすぎるタモ網を駆使して、どうにか1匹だけすくうことができました。
時間と適切な装備があればもう少し頑張りたいところですが、すくえた1匹だけ、とりあえず持ち帰っていただいてみます。
本日の釣果:ハゼ6匹
+ テナガエビ1匹をタモ網でゲット
遭遇!葦原のサバイバー
暗闇の中、ヘッドライトの明かりを頼りに撤収作業をしていると、カサコソと葦が擦れ合う音に気づきました。
風が葦を揺らせているのなら葦原全体から音がするはずですが、そうではありません。
ヘッドライトで音がした葦原の方を照らすと、岸辺でキラキラ光る複数の黄色い点があります。
何かの生き物の眼がヘッドライトに反射しているようです。
最初はカニかと思いました。葦原に巣穴を掘る
「カニかに?」
そういえば釣りをしている間、断続的にではありますが、葦原から何かが葦を踏んで移動するような音が聞こえていたのです。人が歩いているのかと思いましたが、葦の密集度を考えると、とても人が入り込めるような所ではありません。ヘッドライトを向けても茂った葦しか見えません。ちょっと薄気味悪くもありましたが、その時は深く考えずに釣りを続けました。
いま暗闇に浮かんでいる、横に二個並んだ黄色い光(複数あり)は、じっとこちらを見ているようで、しかもときおり(たぶん)まばたきをします。
「カエルけろ?」
いや、黄色い光までの距離感がよくわかりませんが、もう少し大きい何かです。
目をこらすと、暗闇になんとなく四つ足の小動物を思わせるシルエットが浮かびます。
「猫にゃん?」
ヘッドライトだけではらちがあかないので、デジカメを取り出して、撮ってみます。
非力なフラッシュでは到底光は届きません。
オートフォーカスがうまく作動せず、ピンボケなので、もう一枚
今度はピントがマシになりました。
そして画像の明るさを調整すると…
(デジカメ画像はRAWで記録しているので、こういう場合に強いです)
な、なんと!
「タンタン、タヌキ!」です!!
多摩川は、奥多摩湖から始まる上流域こそ自然のままの渓谷や丘陵を流れますが、中流から、特にここ下流域は開発し尽くされた都市のど真ん中を流れています。
そんな人工物ばかりに囲まれた環境でも、そしてこれほど身近に、タヌキがいるのは驚きです。
この辺りの河川敷は朝から夕方まで、徒歩、自転車、ジョガー、犬の散歩など、人の往来の多い所です。
しかし車道からは離れていて、夜中はほとんど人気がなくなる場所でもあります。
タヌキたちは、人間が往来する昼間は葦原の奥で眠り、人間が寝静まる夜中に活動しているのでしょう。
どうやらこの日は、水際で動き回る、頭から光を放つ見慣れぬ不審生物(私)に気づき、偵察しに来たようです。
一瞬、釣ったハゼをあげてみようかと思いましたが、それはタヌキにとって良くないことだと気づき、やめました。
ここは彼らのテリトリーで、私は侵入者です。
彼らにとって人間は間違いなく天敵であり、彼らのためを考えれば、何も干渉せず、そっとしておいてあげるのが一番です。
「姿を見せてくれてありがとね。またね」
多摩川下流域には広大な葦原がいくつもあります。
人間は立ち入ることのできない、人間にとって利用価値のない場所かもしれませんが、だからこそ、野鳥を含めて様々な小動物が棲息できるオアシスになっているのでしょう。
持ち帰ったハゼとテナガエビです。調理は翌日になりました。
ハゼはうろこを落としてから、テナガエビと一緒に塩でもんで洗い、ぬめりや汚れを取り除きます。
天ぷらにするハゼは、頭と内臓を取り除いてから背開きにします。中骨は揚げて骨せんべいにしましょう。
テナガエビはクーラーボックスの冷水に入れていたので、すでに締められています。泥抜きができないので、爪楊枝の先を口に差し込んで、胃などの内臓をほじくり出しました。
下処理をしたハゼ、下処理をしたテナガエビ、ししとう、天ぷら粉、揚げ油、塩、めんつゆ
- ししとう
- ヘタを落とし、揚げたときに破裂しないように、包丁の先で切れ目を入れる
- 天ぷら粉
- 25gを水40mlで溶き、天ぷらの衣を作る。打ち粉として少量をボールに取り分ける
- めんつゆ
- 水で薄めて、天つゆを作る
ししとうに打ち粉をしてから衣をつけ、170度の油で1分間ほど揚げます。
ししとうを取り出したら、油の温度を180度に上げ、ハゼにも打ち粉をして衣をつけてから揚げます。
テナガエビとハゼの中骨は、天ぷら粉をまぶして揚げます。
皿に敷紙を広げ、揚げ物を盛り付け、天つゆと塩を用意してできあがりです。
ハゼの天ぷらに、テナガエビとししとうが入ったことで、彩りが良くなりました。
テナガエビの唐揚げは塩をつけていただきます。
当たり前ですが、紛うことなき海老の味です。
今回いただいたのは小さな1匹だけでしたが、テナガエビ料理の可能性がどんどん広がりそうな美味しさでした。
天つゆでいただくハゼの天ぷらです。
「貴殿が、天ぷら魚類部門のチャンピオンであることに、異論は微塵もございません」
塩でいただく、ししとうの天ぷらも美味しいですね。
ハゼの型が良くなってきたことで、骨せんべいも存在感が出てきました。
少量の塩でいただきましたが、コク深い旨味があってとても美味しかったです。
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