田舎風バジルペーストのパスタ
今回作る「田舎風バジルペースト」は、落合務さんの著作『ちゃんと作れるイタリアン』に掲載されているレシピです。
この本を入手したのは今から10年以上前のことですが、いつか試してみたいと思い、そのページに栞を挟んでおきました。盛りをむかえた我が家のベランダ・バジルを使って挑戦します。
以下は同書からの引用です。
落合さんがキャンティ地方のレストランにいた頃、厨房でスタッフの食事用に作られていたものだそうで、バジルもオリーブオイルも、ふつうのものに比べれば、かなり少なめ。だから、手軽なのはもちろん、味も軽めでとっても食べやすいのだ。オリーブ油は控えめ、牛乳に浸したパンをつなぎにしてるから、あっさりと、それだけでも食べられてしまう素朴なおいしさだ。
バジル、松の実、食パン、ニンニク、パルミジャーノ、牛乳、オリーブオイル、塩、パスタ
今回使う食材の分量は、掲載(4人分)の半分を目安にします。
- バジル 2枝
- ニンニク 1/2片
- 松の実 40g
- 食パン 1.5枚
- パルミジャーノ 30g
- 牛乳 50ml
- オリーブオイル 70ml
バジルは葉を摘み、パルミジャーノはチーズリナーですりおろしておきます。
食パンは耳を取り除き、ちぎって牛乳に5分ほど浸してから、まな板の上で伸ばし、刻んだニンニクをのせます。
松の実をのせたら、包丁で叩いて、細かく刻みます。レシピ本によると
松の実のかけらが口にあたる食感も、このペーストならではのおいしさなので、それほど細かくしなくても。
とのことです。
さらにバジルをのせて包丁で叩いていきます。
叩いたペーストをボールに移し、パルミジャーノを加えます。オリーブオイルを数回に分けて、少しずつ入れて混ぜていきます。途中で味をみて塩を加えます(今回は小さじ1/2)
レシピ本の説明です。
オリーブ油は、入れたらすぐに混ぜないと、分離しやすい。一度に入れないで、少しずつかたさを見ながら、入れていく。とはいえ、少しぐらい分離したって気にしない。かたさもそれほど神経質にならず、好みでいい。
できたペーストの3/4を、茹で上がったパスタ(乾麺150g)にのせていただきます。
見た目はちょっと違いますが、味は間違いなくバジルペーストです。チーズとオイルが多かったからか、厚みのある味わいに仕上がりになりました。
最寄りのスーパーで取り扱わなくなってしまったので、今回は通販で取り寄せたパルミジャーノですが、やはり美味しいですね。松の実の力も偉大です。
結局お皿の上で混ぜることになるので、次回はパスタとペーストはあらかじめボールの中で混ぜておこうと思います。
Amazon の購入履歴によると、『ちゃんと作れるイタリアン』を購入したのは、なんと2007年でした。14年も前のことです。まだこのブログは始めておらず、ケインとも出会う以前の話です。
ふと気になって、当時の写真フォルダを探ってみました(デジカメ写真の整理・編集には Adobe Lightroom を使っています。年代月別のカタログ構成になっているので、こういう場合もすぐに見つかります)
以下は、その年に撮った自炊飯のいくつかです。
使っている食器が今もほとんど変わらないというのは、物持ちの良さと解釈したいところですが、量がすごいですね。当時は、年に3,000kmくらいを走る現役バリバリの通勤ランナーだったので、これでエネルギーの収支が合っていたのです。その後、運動量を減らしながらもピーク時の食事量をそのまま引きずっているというのは、運動経験者のあるあるですね。そして品数が現在よりだいぶ多いです。
すでに我流自炊歴10年を超えて、自分が食べたいものは、それなりに作れるようになっていました。 そんな 2007年に落合さんの『ちゃんと作れるイタリアン』を購入したのは、どういう意図があったのでしょうか。当時は今ほどではないにしろ、インターネットでの情報検索は有益であったはずです。
この本はレストランのシェフ、いわばプロが教えるレシピ集です。レストランは対価を得て、お客に料理とサービスを提供するところです。自宅で自分が自分のために作る自炊飯とは、前提が根本的に異なっているのですが、きっと「美味しいご飯を作る」ためのヒントが散りばめられているに違いない。そんなことを考えてポチったのかもしれません(もちろん、その期待に沿う内容でした)
そして2021年の現在、久しぶりにこの『ちゃんと作れるイタリアン』を開いてみて、あらためて本という「旧い」情報源の強みを感じました。
たとえば、ある食材をキーワードにしてネットでレシピを検索していて思うのは、検索上位はどれも似通っているということです。ネットで得られる「順位付けされた」情報はとても有益でありながら、そして有益であるがゆえに気づきにくい、ある種の偏り(パーソナライズを含む)があると思います(それが第三者の意図による、よらないにかかわらず)
そしてその偏りは制限ではなく、飛び抜けた利点である(利用価値がある)というベクトルが現在の主流であり、私も日々その恩恵を十分に受けているわけです。
一方で、検索エンジンの表示順位アルゴリズムに評価されないような、あるいはそもそもネット上には存在しない有益な情報は、いくらでもあるはずです(今回取り上げたレシピも、そのひとつではないでしょうか) そういう先達の知見と出会う機会のひとつを、本・書籍はこれからもずっと与えてくれるのだと感じました。
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