【ANCHOR RL8】実家へ往復 92km・本を捨てた話
実家の部屋の壁紙を貼り替えるという話が急遽、決まった。
窓際の壁は、私がまだ実家に住んでいた20年以上前から結露によりカビだらけになっていたのだ。
工事の日程に間に合うように、部屋の本棚等を整理しなければならない。年老いた父母では重くて動かせないのだ。
いつものように自転車で実家へ向かった。予定では青梅から峠を越えて埼玉の方に脚を伸ばそうと考えていたのだが、仕方がない。
目的地がどうあれ、今日も日ざしは素晴らしかった。
上り無しの平坦 100km弱、信号がないサイクリングロードは、休日に気負わずに走れるちょうど良いコースだ。
一部の向かい風区間がいい刺激となる。
図らずも、ときおり他のロード乗りとバトルっぽくなることも、走りの強度を引き上げる。ランドナーに乗っていた頃は競争は願い下げだったが、ロードレーサーに乗るようになると気にならなくなった。というか歓迎しているところもある。
実家では本棚ひとつ分の本を捨てた。ほとんどが高校から大学にかけて買って読んだ本だ。
高校が九段下にあったことから、土曜日は神田まで歩いて古本屋巡りをしたものだ。読書の楽しみを知り始めた時期で、これまでの人生でも一番たくさん本を読んだ頃だ。
本棚いっぱいに詰まっていたのは安い文庫本や新書、全集の端本ばかりだった。埃まみれで日に焼けたページをめくると、遠い記憶が呼び覚まされる。ほとんど忘れてしまったし、何かの役に立ったという効能は思い浮かばないが、それは私の足跡に違いなかった。
最初は陳腐化した実用書だけ捨てようかと取捨選択を考えたが、結局すべて捨てることにした。若き日のおぼつかない足跡を後生大事にしていても仕方がない。
机の引き出しも整理した。学生の頃に作った単語カードやら読書感想ノートやら、稚拙な生意気さやら、全部捨てた。
5インチフロッピーディスクやLPレコードやら過去の遺物も多量に捨てた。
捨てるのは気分がいい。
とりあえず壁紙の張り替えには支障がないくらいに片付けたが、まだ段ボール箱7つに入れた本がある。これだけでは終われないな。
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