【ANCHOR RL8】新緑の奥多摩周遊道路に挑む
RL8 で奥多摩周遊道路を走ってきた。奥多摩湖から武蔵五日市方面の檜原村へとつながるこの道は、東京都で一番高い地点を通る道路だ。
私は二十歳過ぎの頃、初めて買ったランドナーでこの峠に挑戦したことがある。当時は力の限りペダルを漕ぎ倒すという能のない乗り方で、奥多摩湖までたどり着くまでにだいぶ疲れていた。のぼり始めて早々に片足の大腿が痙攣を起こして立ち往生、脚を着いたタイミングでもう片方の脚も痙って、道路脇で正座してうめきながらストレッチをするという体たらくで敗退した。
かつて有料道路だった名残の料金所跡が奥多摩側と武蔵五日市側にそれぞれあり(今はもう無い)、そこまでは何度か行ったことはあった。しかし、そこから先へはなかなか行く気にはなれなかった。
ゴールデンウィーク前半の今日、晴れ渡った空と涼しげな薫風のもと、およそ四半世紀の時を経てリベンジを果たすべくペダルを踏む!(大袈裟な)
ちょっと気がかりなのは背中に背負ったバックの重さではある。一眼レフカメラに広角と望遠のズームレンズが2本、予備バッテリーその他、計ってみたらなんと 3.8kg! どうにかなる?
初日は奥多摩側から周遊道路を走り昭島で1泊し、翌日帰ってきた。
1日目
とりあえず奥多摩周遊道路まではセーブして走る。しかしいい天気だ。今日はビブショーツをはき、スネ毛処理もバッチリだぜ。風は涼しく暑さはほとんど感じないが、こりゃ日に焼けるなという日射しだ。
今日はここにたどり着くまで一筋縄でいかなかった。
奥多摩湖畔をずっと走ってきて、「なかなか周遊道路が始まらないなー、徐々にのぼっているけど勾配はそれほどでもないぞ」なんて思っていたら、分岐を通り過ごして小菅村に向かっていた。どこか見覚えがあると思ったらこれは松姫峠を越えたときに通った道ではないか。痛恨のミスコースでUターン。
少しだけ湖畔を走ったあと、のぼりが始まる。道路標識には「9%」の表記があったが、こんな坂がずっと続く。
しばらく大汗をかきながら耐えていると、後ろから1台のロードレーサーに追い抜かれた。Hiとカラ元気を出して声をかける。ライダーは金髪の女性、それほど若くはないように見える。着実なダンシングであっという間に置き去りにされた。
すぐに後ろから外国語の会話が聞こえると思ったら、今度は外人のおっちゃん二人に追い抜かれた。笑顔振り絞りのHi!。おっちゃんのひとりが片言のコンニチワ。それ以上の親善交流を深めようにも、私の今の状態ではどうすることもできない。
女性もおっちゃんもアメリカ人というよりはヨーロッパ圏ではないかな。何となくそんな気がする。自転車の乗り方に気品というか落ち着きが感じられた。きっと自転車大国オランダかベルギーあたりの元プロ選手に違いない。何でここを走っているかって? そんなことまでは妄想できない、このギリギリのヒルクライム中では。
そういえば上の写真を撮ったところでは、子猿を見かけて思わず脚を止めたのだ。すぐに斜面を下って行ってレンズも向けられなかったのだが、道路の先ではもっと大きい猿が数匹、山側の斜面を登っていくのが見えた。確かに猿がいても不思議ではない深い山並みだ。
だいぶ苦労して月夜見第一駐車場に到着。やった!どうにかリベンジを果たしたぜ。
さっき追い抜いていった外人さんたちもここで休憩、スマホで写真を撮ったりして談笑している。
私もバックをおろしてカメラを取り出す。このために担ぎ上げてきたのだ。絶好の見晴らしだ。眼下に奥多摩湖が一望できる。
1本だけ山桜がまだ咲いていた。
ベンチに腰掛けておにぎりを1個食べる。コンビニで買った130円のおにぎりも、ここまで自転車で持ってくると「何でこんなに!」というほど美味しくなる。さて再出発だ。
あとはダウンヒルでルンルン♪、という思い込みはあっさり裏切られて、再びのぼりが始まる(涙)
帰ってから調べると、休憩した場所から最高地点の風張峠までは3kmあまり、まだ200mほどのぼる必要があったのだ。
本当の最高地点を越えてからは長いダウンヒルが始まった。何台ものロードレーサーとすれ違ったが、武蔵五日市側からのぼった方が厳しいはずだ。標高グラフで見ればわかるように、奥多摩側は湖畔を巡る道が平坦だが、武蔵五日市側のアプローチはひたすらのぼりが続くのだから。いつかは、こちら側からも挑戦しようと思うが、その時は装備を見直さないとな。
途中でさっきの外人さん3人にも抜かれたが、ゆっくりと走って16時には昭島の実家に到着。
2日目
今日もすこぶるいい天気だ。多摩サイはレース中のランナーや、バーベキューの人出で混雑を極めているのでゆっくり走る。
総じて奥多摩周遊道路は自転車でも走りやすかった。路面が整備されていてロードレーサーの細いタイヤでも不安はない。スピードを求めるクルマやバイクも走ってはいたが、危険を感じることはなかった。東京都とは思えない山深い木立の中でのヒルクライムは素晴らしい。ぜひ近いうちにまたチャレンジしたいな。
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