ジーロー飯は、断じてジロー飯ではない件について
YouTube でこちらの動画を観ていたときの話です。
しなもん Shinamon さんの料理動画は、まるで気負ったところがなく、さりげなく完成度の高い自炊メニューが次から次へと出てくるので、いつも安心して観ていられるのですが、この動画のタイトルに登場するレシピ名を目にしたときは、思わず心がざわつきました。
ざわ… ざわざわ…
それは「じろーめし」!!
いまだかつて本物のラーメン二郎を食したことはありませんが、その特異な存在はネット情報でよく知っています。
厚切りの煮豚に、すりおろしニンニクと背脂ともやしをたっぷり使った、味の濃くてバカ盛りの、「悪魔の」丼が目に浮かびます。
食べた直後は激しい胃もたれで後悔するも、翌日にはその傍若無人な味覚に蹂躙される体験を渇望してしまう、そんな「禁断の」丼に違いありません。
しかし、そもそもヘルシー志向で、繊細でおしゃれなレシピが並ぶ、しなもん Shinamon さんの料理 vlog内で、そのような暴挙が起こるはずはありません。
がさつな野郎の勝手な勘違い予想に反して、動画の中程で紹介されたのは、茹でた鶏胸肉を使った、どちらかというとあっさりとした丼でした。
そこで初めて「ジーローハン」というレシピが存在することを知ったわけです。
「ルーローハン」と並んで、有名な台湾の丼料理らしいです。
今日はこちらのジーロー飯を作ってみます。
鶏胸肉、ニンニク、長ねぎ、醤油、砂糖、ごま油、ご飯
鶏胸肉は皮をはぎ、塩小さじ1/3、砂糖1/3を両面にすり込みます。
鶏胸肉は、炊飯器を使った保温調理でいきます。炊飯器の内釜に鶏胸肉を入れ、沸騰したお湯を注ぎます。炊飯器に入れて保温ボタンを押して40分間保温調理し、内釜を取り出して冷まします。
粗熱がとれたら汁に浸けたまま冷蔵庫に入れ、できれば一晩寝かせると鶏胸肉はとてもしっとり仕上がります。
使っている炊飯器はこれまで買い換えたことがないので、何十年も前の物です。今ではお米(玄米)は圧力鍋で炊いているため、炊飯器の使用用途は、我が家の常備菜に近い、この鶏胸肉の保温調理のみですね。しかし、この鶏胸肉の処理だけでも、十分に存在価値があります。これほど鶏胸肉が美味しく、しっとりやわらかく仕上がる調理法を、私は他に知りません。
鶏胸肉は筋繊維に沿って指で適当な大きさに裂きます。鶏皮、ニンニク、長ねぎは細かく刻みます。
フライパンにごま油を入れて、鶏皮を炒めていきます。
弱火で加熱していくと鶏皮がバチンバチンはねてくるので、ふたをしてやり過ごします(後から思ったのですが、鶏皮の脂を出したいのであれば、最初に入れるごま油はもっと少なめが良かったようです)鶏皮に火が通ったらニンニクを加えます。
長ねぎを加え、しんなりするまで、引き続き弱火で炒めます。
鶏胸肉の茹で汁大さじ2、醤油大さじ1、砂糖大さじ1を加え、少し煮詰めたらタレの完成です。
丼ご飯に鶏胸肉をのせ、タレを回しかけてできあがりです。
甘辛いねぎダレが特徴的な丼になりました。私の好みとしては、もう少し甘さ控えめが良かったかもです。
何より、指で裂いた鶏胸肉が美味しかったです。いつもは包丁でスライスしていただいているのです、食感も旨味もだいぶ違って感じました。残りの鶏胸肉に少量の柚子胡椒をまぶして食べたのですが、これが絶品でした。
ちなみに、丼の後ろに映っている緑の小皿は、空芯菜の浅漬けです。
空芯菜を刻んでビニール袋に入れ、少量の塩をまぶして、半日ほど冷蔵庫に入れておいたものです。取り出して味見してみると、とても青臭かったので、水で洗って絞り、少量の酢を垂らしました。
私はキュウリの塩もみをそのまま食べてもまったく青臭さを感じない鈍感な舌の持ち主ですが、それでもこれは失敗作でした。青臭さとえぐみがとれず、というかむしろ強調され、手を加えないで生で食べた方がよほど美味しかったです^^; もちろん残さず、すべていただきましたが。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません