多摩川でハゼを釣って唐揚げにしていただく
最近、推し YouTuber の釣り動画を観すぎたせいで、自分も「釣って食べたい」欲求が高まっております。
幸いにも私の住まいの近くには、多摩川が流れています。何十年にもわたって首都・東京の清濁をあわせのみ、今やTAMAZON の異名をもつに至る、関東を代表する一級河川です。
このクソ暑い真夏でも釣れる魚・ハゼをもとめて、愛車ブロンプトンのペダルを回しました。
着いたのは六郷橋の神奈川県側ちょっと下流の護岸です。目星をつけていた六郷橋付近のスポットは、平日ながら先行者がいたので、こちらで竿を伸ばします。
人を避けて平日の炎天下に来ましたが、なかなかいい感じです。周りを見渡すと、近くにいるのは左手のずっと先にいるルアーマンがひとりだけの、ほぼ貸し切り状態です。
ここは比較的河口に近いので潮の干満の影響を受けるようです。釣り始めは満潮から下げ始めていて、干潮まで半ばといったところでしょうか。
使用するのは小物竿 3.6M、道糸PE0.4号、重り0.8号、ハゼ針4号、ハリスを極端に短くした脈釣り仕掛けです。餌はスーパーで買ってきたボイルホタテを使いました。
数年前にネットで調べたときは、こんな物でもハゼが釣れるよ的な情報が少しあるだけで、へえーと感じたボイルホタテですが、今ではゴカイやアオイソメに並ぶポピュラーなハゼ釣り餌として周知されているようです。
一緒に釜揚げ桜エビも持参したのですが、こちらは残念ながら、この日のハゼの食指を動かすことはありませんでした。
とても久しぶりの魚釣りで、しかも初めての場所なので、最初の一匹目を釣り上げるのが関門です。
ハゼが釣れたのは、テトラの間のごく浅い水たまりでした。
ボイルホタテでも釣れるという確信を得て、テトラの際を狙って仕掛けを沈めます。目をこらすと底に見えハゼがいるのもわかります。
ハゼが針がかりしたときの竿を通して伝わるプルプルという手応えが、とても懐かしい気がしました。
子供の頃、同年代の男子の多くがそうであったように、私も釣り少年でした。近所の公園のクチボソ釣りから始まり、運河のハゼもたくさん釣りました。
家にあった東京23区の地図帳を調べて、魚釣りができそうな公園や池を求めて自転車をこいだものです。
赤坂にある弁慶堀で初めてブラックバスを釣ったのは、いい思い出です。
そこは、釣りキチ三平の矢口高雄さんのイラストが表紙になった「少年つりマガジン」で紹介されて知った釣り場でした。
少年の目には餌釣りより格好良く見えたルアー釣りでしたが、都会では手頃な対象魚も見当たらず、なけなしのお小遣いで買ったルアータックルを生かす機会はありません。
(当時はもちろんインターネットなどは存在せず、テレビの釣り番組もなく、情報源は本か雑誌のみでした。誌面を通してルアー以上に格好良く思えたのがフライフィッシングです。しかし、そのムチを操るような独特のキャスティング・フォームを実際に目にしたのは、何年も後のことになります)
そんなときに、東京のど真ん中、首都高が走るビルの谷間で、あのブラックバス(実物を見たことはないけれど)が釣れる!ということで、自転車を一生懸命こいで向かったわけです。
もちろんたやすくブラックバスは釣れるはずもありません。それでも餌釣りで簡単に釣れるブルーギルは引きが強く、楽しい釣り場でした。
そして、ここにブラックバスなんていないのでは、という疑いが強くなってきたある日の夕方、無造作にワームをズル引きしていただけで 30cmほどのブラックバスが釣れてしまったのです。
当時私は中学生でしたが、ブラックバスを釣った話はクラスでも話題になり、何人かの男子が朝駆けをして数匹のブラックバスを釣り上げたようです。
魚をかけたときに感じる「ときめき」「わくわく」は、今も40年前と変わらず、まるで色あせることはありません。
釣り始めて2時間、飽きないほどにポツポツと釣れました。持ってきたボイルホタテ1個がなくなったので終了です。釣果はマハゼ9匹、チチブ2匹(1匹リリース)でした。
釣れた魚は大事に袋に入れて、急いで家に戻ります。
クラクラするような炎天下を自転車で走って家にたどり着いたら、とりあえずハゼを氷を入れた塩水で冷やしておきます。
水シャワーを浴びて、さっぱりしたら、ハゼを調理します。
ハゼ、片栗粉、塩、サラダ油
包丁の先を使って丁寧にうろこを取ります。
次に内臓を取ります。今回は丸のまま唐揚げにしたいので、頭は切り落としません。
内臓を取り除いたハゼは洗って、水気を取ります。
ハゼに片栗粉をまぶします。
ハゼを170度の油で2分ほどかけて揚げていきます。
ちなみにこの天ぷら鍋は購入した物ではなく、いつも使っている中華鍋と一緒に、はるか昔に前職の健保組合からもらった物です。中華鍋で事足りるので使わずに保管していたのですが、もったいないので使ってみます。
油の温度を190度まで上げて、1分ほどかけて二度揚げします。
揚げたてに塩をふってできあがりです。
子供の頃、飽きるほど釣れたハゼはすべて家に持ち帰り、母が唐揚げにしてくれました。今となっては、その時の味はよく覚えていませんが、記憶にないということは、特に美味しいと思って食べていたわけではないようです。
ハゼの美味しさに気づいたのは、大人になってから川崎の東扇島でキスとハゼを一緒に釣り、両者を食べ比べてみたときです。
私にはキスよりもハゼの方が旨味があって、ずっと美味しく感じられました。
今回はできるだけすべてをいただきたく丸のまま唐揚げにしましたが、大きい方のハゼは骨が少し気になりました。もう少し入念に二度揚げするか、頭を落とした方がよかったかもしれません。
小さなチチブの唐揚げです。
リリースしようとしましたが針外しに手間取り、弱らせてしまったので持ち帰りました。初めて食べましたが、ハゼとはちょっと違った旨味があり、負けず劣らず美味しかったです。
さて、すべてを食べ終わって、大切なことを忘れたことに気づきました。
そう、ケインへのお裾分けです!
すまぬ、ケイン殿、次回こそは!
ハゼ釣りの季節は、寒さが厳しくなる冬まで続くようなので、色々な場所で試してみたいですね。
そして「多摩川で釣れるウナギ」が、とても気になる今日この頃です。
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